パスワードの使い回しや安易な設定は、一箇所のサービスから漏洩した情報が、他の全てのシステムへの不正アクセスを招く「芋づる式被害」の引き金となります。企業の信頼を失墜させないためにも、解読されにくい十分な長さと、サービスごとに異なる固有のパスワード設定が不可欠です。
【社長及びセキュリティ担当者が知るべき認証のリスク】
社長及びセキュリティ担当者の皆様、お疲れ様です。
組織全体の資産と情報を守るため、現状のパスワード管理におけるリスクと、今後推奨される基準について以下の通り共有いたします。
1. パスワード使い回しが「致命的」な理由
特定のサイトからID・パスワードが漏洩すると、攻撃者はそのペアを使い、主要な銀行、SNS、社内クラウドサービス等へ自動でログインを試みます(パスワードリスト攻撃)。
使い回しをしている場合、一箇所のセキュリティ不備が、全社的な情報漏洩へ直結してしまいます。
2. パスワードの長さと解読時間の目安(2026年予測値)
英数字(大小区別)に記号を混ぜた、複雑な組み合わせでの解読シミュレーションです。
| 文字数 | 解読にかかる時間の目安 | セキュリティ評価 |
| 8文字 | 数分 〜 数時間 | 極めて危険 |
| 10文字 | 数日 〜 数週間 | 不十分 |
| 12文字 | 数百年 | 推奨(最低ライン) |
| 14文字 | 数百万年以上 | 非常に安全 |
現状分析:
コンピュータの性能向上により、かつての「8文字」は数分で突破される時代です。現在は12文字以上がビジネスにおける安全圏の最低ラインとなっています。
3. 記憶に頼らない「仕組み」での解決策
「全サービスで12文字以上の異なるパスワードを覚える」のは人間には不可能です。社長及びセキュリティ担当者として、以下の「仕組み」の導入を強く推奨します。
① パスワードマネージャー(管理ソフト)の活用
1PasswordやBitwardenなどの専用ツールを使えば、覚えるのは「マスターパスワード」1つだけです。
- メリット: 各サイトごとに30文字以上の複雑なパスワードを自動生成し、自動入力してくれます。使い回しを物理的にゼロにできます。
② 「パスフレーズ」という考え方
意味のない文字列 dfE#9!pQ は覚えにくいですが、自分だけがわかる文章にすれば、簡単に強度を上げられます。
- 例:
Studio-Iwano-Since-2024!(24文字) - これだけで解読時間は「人類の歴史」を遥かに超える長さになります。
③ 二段階認証(2FA)の徹底
万が一パスワードが突破されても、手元のスマートフォンに届くコードがなければログインできない設定です。これを有効にするだけで、不正アクセスのリスクを99%以上低減できると言われています。
【今後の推奨アクション】
- 「使い回し」の完全禁止: 各サービスに固有のパスワードを割り当てる。
- 12文字以上の維持: 短いパスワードは設定自体をシステムで制限する。
- 多要素認証(2FA)の導入: パスワードが突破されても、二段目の認証で食い止める。